Complete Carpet Guide
 
 

                           ジャイプール・ラグズ基金

 (インド・ラジャスタン州 慈善信託法(1959年)登録済)       

 
プロジェクト| 成果 | 報告書 | カーペットの歴史
 
     カーペットの歴史...

内容

  1. カーペットの紹介

1-1         カーペットの起源

1-2         インド・カーペットの歴史

1-3         カーペットの織り方

1-4         カーペットの素材

  1. カーペットのデザイン

  2. カーペットの布地

  3. カーペットの種類

  4. カーペットの製造過程

  5. りカーペットと機械織りカーペットの違い

カーペットの紹介

1-1         カーペットの起源 :

カーペットの起源がいつどこで起こったのかは今現在、具体的には解明されていません。カーペット・ベルトと呼ばれるペルシア(現在のイラン)、トルクメニスタン、モンゴル・中央アジア・中国等の地帯が、最初にカーペット生産が行われた地域ではないかと言われています 。


カーペットの起源は、紀元前7000年頃の新石器時代にまで遡ることができます。

この頃の遺跡から、キリムと呼ばれるトルコ地方のつづれ織りの絨毯に類似した布製品が見つかっています。

その後ノットと呼ばれる、縦糸と横糸を一定の結び方で結んで織るカーペットが生産されました。そうした技術は、乾燥したステップ気候に住む遊牧民族が始めたのではないかと、研究者は指摘しています。


そうした遊牧民族は、羊を食用にするのではなく、その羊毛を使ってカーペットを作りました。そうして作られたカーペットは彼らが住むテントの中の敷物として、害虫や汚れや厳しい寒さから身を守る覆いとして、更には鞍袋や就寝用、お祈りのための敷物としてなど様々な用途に使われました。

そのように彼らの生活と密接したカーペットには、花、動物、樹木などの身の回りのものを始め、彼らの文化、伝統、宗教などを反映した様々な模様が織り込まれました。.

 

現在までに発見された最も古いカーペットの一つが、紀元前5世紀頃に南シベリア地方で興ったスキタイ朝の霊廟から発見されたカーペットです。この地域の人々はイスラーム教徒だったため、こうしたカーペットはイスラーム文化において重要な役割を果たしました。床の敷物からベッドなど様々な用途に使われ、カーペットはその歴史の当初から魅惑的で、高級な商品となっていきました。
中国とチベットのカーペットは仏教や老荘思想の象徴的な図柄を取り入れるなど、イスラームの影響を受けたカーペットとは全く異なる形状とデザインをしていました。

インドには紀元前5世紀頃からカーペットが存在していましたが、16世紀頃にイスラーム王朝であるムガール帝国のアクバル大帝によってもたらされたペルシア絨毯が人気を博していました。ペルシアの職工によってもたらされたそれらのカーペットは、インド王室の嗜好に会うように変えられていきま した。


カーペットは非常に価値があったため、金よりも高い価値を持っていると看做されていた時期がありました。ある伝説によりますと、エジプトのクレオパトラは、ローマのカエサル(シーザー)に謁見する際、自らの身をカーペットに包んで現れたと言われています。また13世紀頃、マルコ・ポーロはペルシアを旅していた際、そこで様々な良い製品を目にし、そうした製品をカーペット・ベルト、即ちペルシアトルクメニスタン、モンゴル・中央アジア・中国以外の国にも紹介するクレジットを与えられました.

 

種類別カーペット起源(推測)

 

ペルシア・ノット・カーペット。。。紀元前6世紀以前
トルクメニスタン・カーペット。。。紀元前6世紀以前
インド・ウール・カーペット。。。紀元前3世紀
コーカサス・カーペット。。。8世紀
中国不織カーペット。。。8世紀
トルコ・ノット・カーペット。。。12世紀
ムガル・インド・カーペット。。。16世紀

 

1-2    インド・カーペットの歴史 :

 

最も初期のインドにおけるカーペットは、紀元前5世紀頃のものです。古代・中世のインド文学に、そうしたカーペットへの言及を見ることができます。 しかし、最も有名なインド・カーペットは、16世紀のムガール帝国・アクバル大帝治世の頃のパイル・カーペットです

アクバル大帝は1580年にペルシアの絨毯職工たちをインドに呼び、そこで絨毯産業に従事させました。そうしたペルシア絨毯はインド王朝の嗜好に合わせて、またそこにインドの伝統的要素を融合させてインド独自の発展を遂げていきました。そうして作られたカーペットはインド亜大陸に広がり、地域ごとの特徴を反映した様々なカーペットが作られていきました 。

 

アクバル大帝の時代(15561605綿の縦糸と羊毛のパイルを用い、赤色を下地に青色・緑色など様々な色の濃淡をつけた糸によって仕上げるものです。ペルシア様式が導入されましたが、次第にインドの嗜好に合わせた様式に変更されていきました。

 

ジャーハンギール帝時代(160527この時代にカーペットは更に洗練されました。シルクやパシュミナなどの高級素材が利用され、それにより従来より多数のノットを織ることができました。図柄は細密画と呼ばれるミニアチュールに似通っています。この時代の、毛糸のかすかなグラデーションや濃淡の色は、それだけでも芸術的なものです。この時代には技術的にもカーペットとしての芸術的にも、非常に洗練されていった時代でした。デザインとして、渦巻き模様のつた植物や花、より自然体の動物の絵が局所的・全体的に施されています。

 

シャー・ジャハーン帝時代(162858) この時代は更に洗練されたシルクの糸によって、1インチ四方のカーペットに2000本ものノットを織り込むことに成功し、カーペットは新たな次元に達しました。シルクやパシャミナによってカーペットにベルベットのような手触りをもたらし、また糸の染色もジャーハンギール帝時代同様の高品質を保ちました。デザイン面では、花の模様がカーペットデザインの主流になりました。

 

アウラングゼーブ帝時代(1658年以降)この時代には殆どの全ての製品の品質が下降傾向にありましたが、カーペット産業は宗教的行事に必要であったからか、どうにかその品質を維持していた状態でした。デザイン的な特徴は、引き続き花の模様と、幾何学的な模様やカリグラフィー(書道のように、字にデザイン性を持たせたもの)なども見られるようになってきました。

また中国・ヨーロッパ地方の神話の登場人物が見られるなど、これらの地方のデザインの影響も広まってきました。これらのカーペットの特徴は、絨毯以外の製品にも見られるような、カリグラフィーが挙げられます。

こうした経緯をたどって発展されたインド・カーペットは、最も技術的に発展を遂げた伝統的絨毯であると認識されています。インド・カーペットはその優れたデザイン、優美さ、魅力的な色使いや職工の腕前等で、現在までその名を有名にしています

 

1-3         カーペットのノット(結び目) :

ノット・パイルカーペットは、手織りカーペットの中でも最も耐久性が良いカーペットです。タフテッド・カーペットという、ノット・パイルカーペットと異なる手法で織られた手織りカーペットもありますが、ノット・パイルカーペットが手織りカーペットの中で最上級の種類です。たいてい、こうしたカーペットは1インチ(約2.5cm)四方に何本ノットがあるかで品質を判断されます。ノットの数が多いほど、その品質は高くなります。

最も一般的なノットは、ペルシャン・ノット(ペルシア風ノット)とターキッシュ・ノット(トルコ風ノット)です。

ペルシャン・ノット・・・非対称のシングル・ノットで、センネー・ノット、ファーシバッフとも呼ばれます。これは二本の縦糸のうちの一本に、一回りだけ織り込んでいく手法です。それにより隣同士のノットは、違う形をとります。

ターキッシュ・ノット・・・これはギルデスとも呼ばれる、左右対称のダブル・ノットです。二本の縦糸両方に糸を通し、その糸は再び縦糸の間から出されます。

また、ジャフティ・ノットと呼ばれるタイプのノットがあります。これは四本の縦糸を用いることで、左右対称にも非対称にもなり得るノットをつくり出す手法です。

チベタン・ノット(チベット風ノット)は違った形をとります。通常の縦糸の前に、けばをつけたさおを置きます。そして二本の縦糸に糸を通し、更にさおの周りにも糸を通します。糸が縦糸、さお両方を通った後、ノットから切り離すという手法です。

 

ノットの密度

ノットの密度は、カーペットの品質を測る上の指標として使われます。1インチ四方のノットの数(Kpsiという単位を使います)が多くなればなる ほど、品質は向上します。0~80kpsiが低級、120~330kpsiが中級から上級、330kpsi以上が上級から最上級と分類されます

 

1-4         カーペットの素材:

 

カーペットとは、贅沢さと暖かさの同義語です。カーペット選びの際重視されることはまず色、そしてスタイルという順番が一般的ですが、カーペットの素材も、色・スタイルと同等の重きを置かれるべきでしょう。カーペットの素材は、それが置かれる場所、目的、また子供やペットがいるかといった環境をも考慮して決められます


ウール(羊毛)

ウール・カーペットは、重厚で、絢爛な仕上がりとなっています。

·       贅沢な手触り

·      優れた耐久性

·      汚れに強い

·      高品質のけば

·      頻繁なメンテナンスが必要

·      美しい発色

·      耐火性

 

ウール・カーペットは湿気の高い場所でも使えます。またカーペットに浴びせられた光が分散して、カーペットに光沢を持たせます。天然繊維のため、アレルギーも軽減されています。ただし、パイル・ウールカーペットの場合、フラット・ウールカーペットよりも状態を維持するのが少し難しくなります。

ウールカーペットは、品質にもよりますが人が頻繁に行き来するような場所にも使うことができます。

いずれにせよ、ウールはインド、またこの近辺で作られるカーペットにおいては最も好まれる素材です。

基礎となる糸に綿を用いたり、基礎は綿で、横糸のみはウールという例も見受けられます。綿を基礎とすることで、より耐久性のあるカーペットを作ることが可能になります。

 

       シルク(絹)

 

·       シルクは贅沢で、高価な素材です。

·       シルクはとてもハリのある素材です。

·       染色の際、とても明るい色に仕上がります。

·       芸術的に高い価値を持っています。

·       高い装飾的効果を持っています。

·       あまり人通りの多くないような場所での使用が好まれます。

·       高いレベルでのメンテナンスを必要とします。

·       湿気に弱い素材です

 

 

    シルクもウールと同様天然繊維で、また肌に対して中性の性質を持っています。シルク繊維は強い光沢を持っているので、カーペットの模様にもそうした光沢を取り入れています。シルクはウールカーペットの中において、その模様を強調したりする際にも使われます。シルクは贅沢で、高価で、装飾的要素が高い素材だといえます。シルクカーペットは綿を基礎としますが、時にシルクを基礎に用いることもあります。

ジュート  

 

・ジュートは良質な繊維のうちの一つです。

・やわらかい手触りが特徴的です。

・自然のつやがあります。

・湿気がある際には、滑りやすくなります。

・ウール、シルクほどではありませんが、適度なメンテナンスが必要です。

・普通に織ったり、ノットで織られたり、より合わせたり、あぜ織りにしたりなど、様々な加工法があります。

・漂白したり、染色することができます。

・パイルにもフラットにも用いることができます。

 

ジュート・カーペットは最も経済的なカーペットの一つです。カーペットの歴史の中では比較的最近に加わった素材ですが、ジュートの持つ素材の特性によって、すきまのセグメントを占めることに成功しました。ジュートを用いることで美しい模様を織ることができ、カーペットにアクセントを加えてくれます。ジュートの弱みは湿気に弱いことです。湿気が多い中ではしみを作ってしまうこともあり、湿気に対応できないことが、ジュート・カーペットの最大の弱みです。

 

        人工繊維

 

ナイロンはカーペットの素材として、最も好まれる人工繊維です。他にはポリエステル、オレフィン、アクリルなどが使われます。ナイロンがそれら人工繊維の中で最も耐久性が高く、弾性があり、また洗いやすくメンテナンスも容易です。オレフィンはその耐水性から、屋外での使用が好まれます。ポリエステルは耐久性はそれ程高くありませんが、メンテナンスが容易です。これらの人工繊維はその素材の違いによって、いろいろな手触りを生み出しますが、総じて目こぼれや毛の抜けを受けやすい素材でもあります

 

2 カーペットのデザイン

 

Afshar Carpets

Antique Carpets

Bakhshaish Carpets

Bakhtiari Carpets

Baluch Carpets

Bidjar Carpets

Gabbeh Carpets

Hamadan Carpets

Heriz Carpets 

Indian Carpets (インド・カーペット)

Iranian Carpets

Isfahan Carpets

Kashan Carpets

Kashmar Carpets

Kashmir Carpets

Kerman Carpets

Mahal Carpets

Nain Carpet

Nepalese Carpets

Oriental Carpets

Oushak Carpets

Persian Carpets

Sarough Carpets

Tabriz Carpets

Tibetan Carpets

Turkish Carpets

インド・カーペット:

 

インド・カーペットはペルシャン・カーペットの影響を受けてはいますが、非常に美しい模様や色使いを生み出し、独特の発展を遂げてきました。典型的なペルシャン・カーペットは13世紀から14世紀の間にインドに持ち込まれ、王室用の製品として取り扱われました。主にカシミール地方とウッタル・プラデシュ州の一部でこうしたカーペットは発展していきました。

インド・カーペットの模様はペルシャ起源で、色使い等の起源もペルシャン・カーペットにあります。インド・カーペットの色使いはペルシャやトルコのそれと比べ、薄いものとなっています。ナムダ・カーペットやウールの不織カーペットはヒマーチャル・プラデシュ、カシミール、ラジャスタン各州で発展し、複雑な刺繍模様やアップリケなどで知られています。伝統的なインド・カーペットはドゥーリーと呼ばれ、それはトルコのキリムと呼ばれるカーペットに良く似ています。それらはウールや綿を使って織られたフラット・カーペットで、幾何学模様、花模様、伝統的なくくり染めを用いて作られ、地域によって特徴的な模様は異なりま す

 

 

> 手織りカーペット

> ウール・タフテッド・カーペット

> ガッベ・ウール・カーペット

> 手織りウール・ドゥリー

> ピュア・シルク・カーペット

> 合成カーペット

> 円形カーペット

 

手織りウール・ノット・カーペット

 

地域

 

手織りウール・ノットカーペットはバードイ、ミザプール、カーマリア、ゴーシア、ヴァラナシ、アグラ等のウッタル・プラデシュ州の都市やアムリットサル、パタンコートなどのパンジャーブ州、ラジャスタン州のジャイプールなどで生産され、地域によってそのスタイルに違いが見られます。

 

模様と色使い 

 

インド・ウールカーペットは、最新の伝統的ペルシャン・カーペットをモチーフとして、その影響を多分に受けたものとなっています。輝きを放つ色使いや素晴らしいデザイン、また多数のノットを編みこむことを可能にした高い技術革新によって、インド・カーペットは熱を保つという本来のカーペットの目的に留まらず、室内における装飾品として愛されてきました。

カーペットの職工たちは一人一人異なる独自のデザイン、また色使いにおける論理を持っています。カーペットの芸術は世代を超えて受け継がれ、中性から現在に至るまで、職工たちは素晴らしい見本となる製品を作り続けてきました。

バードイ、ミザプール、カーマリア、ゴーシア、ヴァラナシは仏教とチベット地方の影響を受けており、アムリットサルとパタンコートは、幾何学模様と花の模様が混合された模様、またアグラとジャイプールはペルシャ・トルコのスタイルに地域の特色を加えたもの、というような地域別の特徴を持っています。

技術

 

ウールは品質、デザイン、スタイル、色使い等のいかんに関わらず、様々な絨毯に使える万能な素材です。最上級のインド産ウールは、たいてい中級品質のカーペットに使われます。最上級のカーペットには、輸入物のウールにインド産のウールを混合させて使います。カシミールのウール。カーペットはそ毛と呼ばれる、長い羊毛を原料とした糸が使われます。なだらかな手触りの高品質のウールは、光沢を発します。そうした光沢をすぐに引き出すために、ウールは特殊な薬品を使って洗浄されます

 

手織りノット・カーペットの製造過程

 

            » 縦糸を織機に伸ばし、そこにノットを作り結び目を積み重ねていきます.

            » 横糸を挿入します.

            » 毛糸をカットします

 

品質はノットの密度とけばの短さによって左右されます。この2つはデザインの品質にも影響します。1インチ四方のノット数が多くなればなるほど品質は高くなり、ノット数が最上級のカシミール・カーペットは1インチ四方400ノットものノット数を誇っています。

タフテッド・ウール・カーペット

タフテッド・カーペットは、手織りノット・カーペットよりも手に入りやすい値段となっています。更に、タフテッド。カーペットは100%機械生産が可能です。タフテッド・カーペットは色、デザイン、手触りに至るまで様々な種類の提供を可能にしています。不規則な花茎の形なども、簡単に作ることができます。またタフテッド・カーペットは、手織りのカーペットよりも15倍早く生産することができます

 

技術

 

フテッド・ウールカーペットは手織り・機械生産両方ともタフティング・ガンと呼ばれる特殊な道具を使って生産されています。タフテッド・カーペットの基礎には、上質な布が必要になります。そうした基礎に使われる布は、カーペットの品質に応じて選択されます。手織りタフテッド・カーペットでは、毛糸の結び目が一つ一つタフテッドされます。プリント模様のカーペットが生産されるときは、染色された糸が使われます。

その後、基礎となる布がラテックスや粘着性のある物質でコーティングされ、ラテックスのりともう一枚の布を使って、キャンバス地 の後ろからパイルを固定します。

地域

 パーニーパットは、タフテッド・カーペット生産の中心地域です。アムリットサルからアグラに至る一帯の地域もまた、タフテッド・カーペットの産地となっています。

 

ピュア・シルク・カーペット:

 

シルク・カーペットはその優美さ、上品さ、手触りのよさ、そしてシルクの素材の持つ光沢が特徴です。複雑な模様と明るい色使いも、シルク・カーペットの特徴として挙げられます。

 

起源

 

当初カーペットはウールか綿を使って生産されていましたが、シルクがカーペットに使われるようになってからは、上等なカーペットの素材としてシルクが採用されるようになりました。シルクの糸は上質で光沢を持っているのに加えて、カーペットに求められる強靭さも備えていました。魅力的なペルシア絨毯は、こうしたシルクを素材としています。ムガル帝国時代にシルク・カーペットはインドにもたらされ、上質のウールとシルクが手に入るカシミール地方で、シルク・カーペットは発展を遂げていきました。

 

技術

 

シルクは基本的に強靭な繊維です。シルク・カーペットはたいてい、基礎となる縦糸と横糸にウールや綿を使いますが、シルクでも良質なと縦糸を作ることができます。1インチ四方辺りのノット数で品質が決まり、ボカラ・カーペットは1インチ四方あたり125から500ものノット数を誇り、高級カーペットの一角を担っています。

シルクの毛糸はまず染色され、その後織で一つ一つ、ノットを結んでいきます。そうして作り終えられたカーペットは洗浄され、乾燥されます

 

 模様

ピュア・シルク・カーペットは1インチ四方辺りのノット数が非常に多いので、模様をとてもきれいに描くことができます。そうした模様は複雑なモチーフから自然を題材としたもの、狩の様子、鳥や動物、歴史的事象など多岐に渡ります。また仏教思想と老荘思想の影響を受けた卍のデザインや、陰陽思想、ペルシャの伝統的模様なども見受けられます。

 

地域

ピュア・シルク・カーペットはジャンムー・カシュミールとラダック地方でのみ生産されています。

ペルシャ・カーペット

ペルシャ・ノット・カーペットはイラン文化固有のものです。長い伝統を誇り、ペルシャ・カーペットは高い品質と芸術的なカーペットとして知られています。ノット・カーペットの歴史は紀元前5世紀頃に遡ることができ、芸術的、商業的側面から見たそのピークは、ムガル帝国が創始される直前の1502年からムガル帝国後期の1736年でした。

ペルシャ・カーペットは複雑でかつ絢爛な模様と、美しい色使いで知られています。模様は花や植物のモチーフからカリグラフィー、民話の描写や動物まで多岐に渡り、カーペットの模様や色使いは、生産者の所属する部族や村によって異なります。ペルシャ・カーペットは綿やシルクを基礎として、ウールとシルクを用いて手織りされます。毛羽の美しさと光沢が、カーペットの模様の美しさをいっそう際立たせています。

イラニアン・カーペット

ゲリムと呼ばれるイラニアン・カーペットは、床に敷くタイプの絨毯としては最古のものかもしれません。古代ペルシャとして知られたイランは、ラグとカーペットの代名詞として認識されるようになりました。伝統的なイラニアン・カーペットであるゲリムは、同じくトルコの伝統的カーペットのキリムにあたります。ゲリムは綿の縦糸にウールを使って織られ、模様を編む際は色をつけたウールの横糸を使います。

それらのカーペットは水平型・垂直型織機どちらでも織ることができ、また都市部・農村部どちらでも生産されています。模様やサイズは他のカーペットと同じように地域によって異なり。デザインそのものが、その地域を表すものとなっています。イラニアン・カーペットの特徴は、他のカーペットと異なりマップ(絨毯のデザイン画)を使わず、全て職工の頭の中にあるデザインを基に織られています。

ゲリム・カーペットを長い時を経て発展させた、ペルシャ・ノット・カーペットもまた、イラニアン・カーペットの一種に分類されます。基礎には品質と用途に応じて綿・シルク・ウールのいずれかが使われ、シルクまたはウールを使って織られます。

 キリム・カーペット

 キリムはパイルがない、フラット製法で作られるウール・カーペットです。フラット製法ではあるものの、手触りや模様の質はパイルがあるカーペットと同等の品質を保ち、色使いが鮮やかで分かりやすいことが特徴です。模様はデザインはトルコ・カーペットとほぼ同じです。

キリルはフラット製法であることに加え、その横糸に特徴があります。キリルは横糸の数が多いため、縦糸が表面に殆ど現れません。また違う色を組みこむ際、2本の横糸が交わらないことも特徴で、これにより色の境目では溝ができ、キリルの特徴の一つと成っています。

キリルは大きさと用途によって、更に以下のように分類することができます。 (参考:1フィート=30.48cm

ターバン  9×6フィート以上、床用

カーヨラ  4×8フィート以上、9×6フィート以下。床・壁の装飾用

セッカーデ  横24フィート、縦4~8フィート。礼拝用で宗教的モチーフがメイン

ランナー  2~3フィート、縦6~20フィート。 階段・廊下用

ミニ  縦横とも2フィート以下。トレーカバーなど

ヤスティク  枕カバーなどに使われる、更に小さなサイズ

 

カーペットの布地

カーペットはいつの時代でも、家庭において不可欠な役割を果たしてきました。ここではカーペットの布地ごとに、いくつかのカーペットの種類を紹介したいと思います。またジュート、シルク、コイア(ココヤシ皮の繊維)、ウールなどの天然繊維や、ナイロン、オレフィン、ポリエステルなどの人工繊維を様々な形で組み合わせ、高い品質の布地を作ることも可能になっています。力強い色使いと、様々な素材の混合によって生み出される美しさは、カーペットの一枚一枚がそれぞれ持つ固有の美しさとなっています。

ジュート・カーペット ジュート・カーペットは、ジュートが持つシルクのような光沢と自然な陰影が特徴で、人気のあるカーペットです。

シルク・カーペット  家庭で最も広く用いられているカーペットです。シルク・カーペットは光沢を持っているだけではなく、伝統的かつ装飾に工夫が施された模様も、目立った特徴となっています。

コイア・カーペット  コイア・カーペットはココヤシの皮から作られた繊維を使って作られるカーペットで、毎日頻繁に使われるような環境の基でも耐えうる、高い耐久性が特徴です。

ウール・カーペット  ウール・カーペットは特にトルコ・ペルシャ風カーペットに代表される、魅惑的な職人芸が反映されたカーペットとして有名です。

ナイロン・カーペット ナイロン・カーペットは耐衝撃性・耐摩擦性・耐汚染性・耐久性・メンテナンスなどの面では、他のカーペットの何よりも勝っています。こうした要素と手に入りやすい価格によって、ナイロン・カーペットは最も一般的に使用されているカーペットとなっています。

竹カーペット   床用カーペットの種類があまり多くない中で、竹カーペットは最も型にはまっていないタイプのカーペットです。環境にやさしく、また価格的にも比較的手ごろな値段のため、床用に限らず厚地のカーテン用の布地としても使われています。   

人工繊維によるカーペット  このカーペットはポリエステル、アクリルなどの人工繊維の程よいブレンドによって、現代の床用カーペットとして洗練されたデザインを持っていることが特徴です。

 シルク・カーペット

シルク・カーペットは数あるカーペットの中でも最も魅力的なカーペットです。光沢を持った表面、明るい色使い、細かい模様、密度が高いノット、、、こうした特徴の数々が、シルク・カーペットの魅力を形作っています。中国、ペルシア(イラン)、トルコ、インドのカシミール地方が高品質のシルク・カーペットの生産地として有名です。

毛糸と織りかた

たいてい「シルク・カーペット」と呼ばれるカーペットは、横糸・縦糸に綿を用いるため、80%シルク・カーペットと呼ばれます。時にはカーペットとしての強度を更につけるため、基礎となる縦糸・横糸両方にシルクが使われることがあります。縦糸にハンド・ノットを施すことで、複雑な模様を織っていきます。それぞれのノットが作られた後横糸を通し、横糸をきつく引っ張って作るほど、丈夫なカーペットが出来上がります。またこの種類のカーペットは作るのにとても時間がかかり、複雑な作業のため、熟練した職人でさえも大きなサイズのカーペットは作りたがりません。一般的に、横9フィート、縦12フィートのものは、チームで製造しても完成するまで6ヶ月ほどかかります。

デザインとスタイル

職工たちはきわめて早い段階から、シルクが光の当たり方によって微妙な光沢を発することを見抜いていました。ペルシャ・カーペットにしろ中国カーペットにしろ、こうしたシルクの特性を生かして、シルク・カーペットは作られていきました。 

チャイニーズ・シルク・カーペット

チャイニーズ・シルク・カーペットは、仏教と老荘思想の強い影響を受けています。その象徴として、卍や陰陽、竜、幸運の象徴としてのこうもりが模様として取り入れられ、チャイニーズ・シルク・カーペットに不可欠な模様となっています。これらの模様は、黒、青、赤、白、ベージュ、黄色などによって彩られています。

ペルシャン・シルク・カーペット

ペルシア・シルク・カーペットは他のどんな種のカーペットよりも、装飾的価値が高く、豪華なカーペットと看做されています。壷や樹木、花や動物、幾何学模様などが模様として取り入れられています。そうした模様の数々は色、形とも大変調和が取れており、カーペットの装飾に暖かさを加えています。

 トルコ・シルク・カーペット

トルコ・シルク・カーペットは、それ自体が職工の生活を物語っています。デザインや模様はペルシャ・カーペットのそれに近いものがありますが、そうしたデザインや模様は職工によって大幅にアレンジされ、職工達の喜び、悲しみなどをも表しています。職工たちはカーペットに、彼らの信条や一般的な人々の生活の様子などを描いています。現在ではそうしたデザインの数々は美しいものとして捉えられていますが、トルコ・カーペットのデザインはどこか人間味があると言われています。

シミール・シルク・カーペット

カシミール・シルク・カーペットは、劇場・舞台などにおいて重宝されています。ペルシャ風デザインで生産され、複雑な模様とノット数の多さ(1インチ四方400ノットほど)で知られています。ペルシャ・カーペットの流れを引いているものの、長いときを経て独自の発展を遂げてきました。

シルク・ラグ(カーペット)を使う

シルク・ラグは部屋におけるアクセントとして使われます。壁掛けとしても、床用としても使えます。豊かな色使いと光沢が特徴のラグなので、人通りの少ない場所で使われるのが望ましいでしょう。より小さなサイズのラグは、礼拝用、上掛けなどに使われます。

ール・カーペット

ウール・カーペットは最も有名なカーペットで、羊、やぎ、らくだなどの毛から作られます。地域や用途によって沢山のカーペットが存在し、また織りかたによってもカーペットの仕上がりに違いがでてきます。

原料となるウールの質は、場所と作るカーペットの質によって異なります。最上級インド産ウールは、主に中級のウール・カーペットの生産に適しているといわれ、更に上質なウール・カーペットには上質な輸入ウールが使われます。

 ハンド・ノット・カーペット トルコ・ペルシャ発祥のカーペットで、ぴんと張られた横糸と緩やかに張られた横糸にノットをうって作られます。カラフルで高級な手触りが特徴です。

キリム キリムは色が変わるごとに溝ができる、フラット製法で折られたカーペットです。明るい色が特徴で、伝統的なトルコのカーペットです。

 ウール・ダーリ ウール・ダーリはキリムのインド版です。インドの家庭で古くから織られてきた伝統的なカーペットで、キリムと違って色が変わっても溝ができないのが特徴です。

ハンド・タフテッド タフティングは1930年代のアメリカで生まれた製法です。外見はハンド・ノットとあまり変わりませんが、ノットをせず基礎となる糸に毛糸を結んでいるだけなので、耐久性はハンド・ノットよりも劣ります。

 ナムダー ナムダーは、主にカシミール地方、ヒマーチャル・プラデシュ州、ラジャスタン州で生産される不織カーペットです。とても細かい刺繍模様やアップリケが特徴で、トルコやペルシャの遊牧民たちによって、それぞれ独特の発展を遂げていきました。

フック・ラグ フック・ラグはデザインが描かれたキャンバスに、幅の小さいウールの布をフックして作られるカーペットです。

デザイン

最新の流行を反映した模様から、ペルシャやトルコの伝統的デザインまで、デザインの数は多岐に渡ります。 更には部族の象徴となるモチーフが描かれていることもあります。

ウール・カーペットの使い方

ウール・カーペットは最も万能なカーペットで、部屋にアクセントを与えてくれるカーペットです。どんな環境にも合うようなカラフルさと複雑な模様が特徴です。

 合成カーペット

合成カーペットは、シルクのような感触を持った合成ハンド・ノットカーペットです。シルク・カーペットと同じようなデザインのプロセスをたどり、1インチ四方あたり250以上ものノットを作ることができます。

このカーペットには、以下に挙げるような人工繊維が使われます。

イロン:ナイロンはカーペットに使われる人工繊維の中では最も一般的なものです。酸性染料、科学染料によって染色をされ、メンテナンスの容易さと美しい発色が特徴で、汚れにも強く耐久性があります。

ポリプロピレン(オレフィン):この繊維はベルベル人が住む地方(モロッコ周辺)で非常に一般的です。汚れ、カビに強く屋内・屋外共に気軽に使える繊維です。ただしマットとしての耐久性はナイロンに劣ります。

ポリエステル:ポリエステルはナイロンほどの耐久性はないものの、きれいな発色と柔らかい手触りが特徴です。スフと呼ばれる繊維を用います。

アクリル:アクリルはウールにとても近い外見をしています。平面織りやバス・マットなどに主に使われます。土などの汚れに強く、また静電気も発生しにくいもが特徴です。ただ、パイルが逆立ってしまう性質と燃えやすい性質を持っているため、最近ではカーペットにはあまり使われていません。

 こうした人工繊維によるカーペットは、ジャンム・カシミール州のスリナガルやアグラ、グワーリオルなどに生産拠点があります。

技術

BCF(長繊維かさ高加工糸)は、別の毛糸と一緒にねじって糸を作ることで同重量ながらかさを増やした、カーペット用の合成繊維です。こうした合成繊維も天然繊維と同じように、タフティング、一般的なウィービング、ニット加工、ニードル・フェルト、ボンディング、フロッキングなどの手法を用いて、カーペットが作られます。

カーペットの種類

いつの時代でもカーペットは室内における装飾品として羨望を持って見られていましたが、新しい技術の導入やコスト削減によって、より手に入りやすいカーペットも現れるようになって行きました。そうした技術進化はタペストリー産業にも革命をもたらしました。

都市部の市場においては花模様をはじめ、民話のモチーフや幾何学模様など様々な模様が人気を集め、また繊維の混合技術の発達によって、カーペットの耐久性を向上させることにも成功しました。

 ハンド・ノット・カーペット

カシミール・カーペットやペルシャン・カーペットとして知られるこれらのカーペットは、最も伝統的な手法に基づいて生産されていて、その緻密で上質なパイルは、世界中の人々を古くから魅了し続けています。

ハンド・ノット・カーペットの起源は2000年ほど前まで遡ることができますが、インドには15世紀にハンド・ノット・カーペットがもたらされました。またこのカーペットはその起源の地域名から、オリエンタル・カーペットとも呼ばれます。インドではカシミール地方でハンド・ノット・カーペットは発展していきましたが、インドでもまたカシミール・カーペット、及びペルシャン・カーペットと呼ばれます。

こうしたハンド・ノットの技術は、遊牧民によって発展され、また彼らによってその技術が各地に伝播されたと言われています。

素材

 遊牧民によって作られる工芸品であったため、カーペットは羊やヤギの毛から作られました。綿は基礎として縦糸と横糸に使われ、時にはパイルとして使われることもありました。こうした様々な繊維の混合によってデザインは更に発展を遂げ、模様は次第に複雑さを増していき、次第に洗練されていきました。

最上のウールはペルシャとトルコからもたらされ、ペルシャのホラーサンとキルマンから産出されるウールはその上質さとベルベットのような手触りで有名です。またコーカサス地方や中央アジアのウールは、強靭さと美しい光沢が特徴です。

こうしたウール・カーペット中心の中、シルクの登場はカーペットの複雑さ、色使い、絢爛さなどの点で大きな転換点となりました。シルクは強靭さを持ちながらも、繊細な感覚を与えてくれます。またシルク・カーペットにおいても基礎となる縦糸、横糸には綿を用い、時にはシルクが基礎に使われることもあります。

製造手順

ノット・カーペットの製造には大変長い時間がかかります。ウールやシルクは採取された後に洗浄され、糸を作り、染色されて初めて、カーペットとして織られる準備が整います。

糸の準備ができたら、縦糸を張ります。

カーペットのデザインに沿って、縦糸にノットを打ちます。

ノットが一列打ち終わったら、横糸を挿入して打ち込みます。

全てのノットが打ち終わったら、毛羽を必要とされる長さにカットします。

その工程が終わった後、洗浄され、細かい仕上げを経て完成です。

模様の正確さは、ノットの一つ一つがどれだけ緻密に打たれているか、またパイルの大きさがどれだけ小さいかによって決まります。トルコ・カーペットとペルシャ・カーペットでは微妙にノットが異なります。

熟練の職工は1分間に15個ものノットを打つことができますが、それでも10フィート×6フィートのカーペットを仕上げるには2ヶ月ほどを要します。

品質

カーペットの品質は、1インチ四方辺りのノットが多ければ多いほど上質と判断されます。カーペットが綿密になればなるほど、模様を細かくきれいに描くことができ、また耐久性も向上します。素材にもよりますが、1インチ四方辺り3501000個のノットを持つカーペットが、上質なカーペットと判断されます。

 模様

カーペットの模様は、時と人によって異なります。遊牧民族は彼らの身の回りにある動植物や幾何学模様を描き、ペルシャやトルコ・カーペットは花模様や民話の描写などで有名です。カリグラフィー模様は、礼拝用カーペットや宗教に使われるカーペットに欠かせない物となっています。

- ハンド・タフテッド・カーペット

ハンド・タフテッド・カーペットが、オリエンタル・ラグであると誤解されることが多々ありますが、こうしたハンド・タフテッド・カーペットは最も現代のデザインを持ち、価格的にも競争力のあるカーペットとなっています。色や模様において様々な種類のカーペットを提供でき、またハンド・ノットのような手触りをも持っています。ノットをしないで作られるためノット・カーペットに比べて価格が手ごろなものとなっています。

素材

 タフテッド・カーペットの素材には、強靭に織られたキャンバス地のものが使われます。現代ではジュート地のものも良く使われ、パイルには染色されたシルクやウール、あらゆる人工繊維が使われます。タフテッド・カーペットには基礎となるキャンバス地の布のほかに、ラテックスのりともう一枚の布を使って、キャンバス地後ろからパイルを固定します。

製造手順

タフテッド・カーペットは、ノット・カーペットの半分以下の時間で仕上げることができます。

染色された毛糸を用意する。

デザインがプリントされた布を、枠に広げる。

デザインにそって、タフトを打ち込んでいく。

パイルがカーペットから抜けないように、ラテックスのりで後ろから固定する。

 後ろから固定する素材をもう一枚加えて、強靭さと安定性を高める。

熟練した職工は、10フィート×6フィートのカーペットを1週間で仕上げることができます。

品質

 タフテッド・カーペットは、ハンド・ノットほど耐久性がありません。品質を判断するには、固定するために使われたラテックスのりと布の品質、そしてタフトがどれほどきつく作られているかが指標となります。

手織りカーペット

手織りカーペットは、伝統的モチーフと色使いの幅の広さに定評があります。

手織りカーペットは、ノット・カーペットや平織りカーペットも含む広いカテゴリーです。ノット・カーペットは伝統的なペルシャ・カーペットを含み、キリムやダーリなどが平織りカーペットにあたります。平織りカーペットはインド文化の継承という意味で重要な位置を占めており、かつてはどの家庭でも織られていました。

平織りカーペットには綿かウールが使われます。ラグのためのラグとして、カラフルなラグが織られることもあり、その模様は伝統的な幾何学模様をはじめ、動植物の絵、生活の様子や時代を反映したものなどとなっています。

原料となる毛糸の染色には植物性顔料が使われ、伝統的な織機を使って手織りされます。現在では平織りカーペットは各家庭ごとの生産から、ファミリー・ビジネスの形態に変わってきましたが、模様やデザインは伝統を受け継いだものとなっています。 

インドのカーペット産業にノット・カーペットがもたらされたのは、大変遅くなってからでした。ムガル帝国と共にノット・カーペットはインドにもたらされ、長い間職工は支配層の庇護下にありました。カーペット自体が高級品だったため、上級階級の嗜好に合わせてカーペットは発展を遂げていきました。当初はペルシャ・トルコ風の模様が中心でしたが、次第にインド風に変えられていきました。中東の遊牧民族のカーペットの模様はインド民族が持つ模様にとても似ていたため、そうした中東地方のデザインも導入されました。ペルシャ風のカーペットは良質なシルクとウールが産出されるカシミール地方で発展を遂げ、デザインもそこから広まっていきました。 

 東インドでは、手に入りやすいジュートが素材として一般的で、海岸沿いの南インドではココヤシ皮であるコイアが、素材として一般的でした。ジュートとコイアは平織りで、通常とは違った織り方で織られ、綿やその他の繊維とブレンドして織られます。染色もされますが、近年では染色をせず素材そのものが持つ色を生かしたカーペットの需要が高まっていて、しかも染色をしないほうが耐久性が高まります。ブレード・ラグと呼ばれるカーペットもこのカテゴリーに分類されます。